2018年5月31日木曜日

ヨーロッパ探訪 スペイン・ビルバオ~美食編

バスク地方といえば、今日本ではじわじわとバスク料理がブームになっているそうです。
最近居酒屋街で最近よく見る「バル(bar)」も、発祥はバスクです!
その土地自体はまだまだ馴染みのなかったバスクですが、実は日本でも人気を呼ぶ美食文化の街でした。
写真を載せてご紹介したいと思います。

まずは一口おつまみのタパス。バスク地方では呼び方がピンチョスに変わるそうです。

バゲットの欠片の上にさまざまな食材を乗せて、上から竹串を刺して固定します。
左は生ハム、チーズ、いちじくのジャム
右はステーキ、海老、きのこ、溶かしたチーズで、ワインとばっちり合いました。

バスク料理の特徴は3色のソースにあると聞きました。
その色は、バスクの国旗と同じ、赤、白、緑です。

赤ソース
赤い塊は辛くない唐辛子で、この地方の名産です。
中には蟹の身のオーブン焼きがぎっしり詰まっています!
 
白ソース
バカラオ・アル・ピルピル(Bacalao al pil-pil)という、白身魚の白ソースがけ。
オリーブ・ニンニク・唐辛子を調理して乳白色にしているらしいです!
 
 
ソースではないですが、スペインと言えばこれ!というパエリア。
地方ごとに特徴があるそうです。
バスク版は白色で、魚介の出汁のおかげで日本料理のような落ち着いた味がしました。
 
緑のソースは見つけられませんでした…
ししとうが名産のひとつだそうです。
塩とニンニクのシンプルな味付けでやみつきでした


またお酒は、シドラ(Sidra)というリンゴの発泡酒が名産でした。フランスのシードル(cidre)と似ていますが、甘さと炭酸が控えめな印象でした。

それから、B級名酒(?)として友達に教えてもらったのが、カリモーチョ(Kalimotxo)という、ワインとコーラを1:1で割ったお酒です。
ワインは安物であればあるほど美味しく仕上がると言われていて、お金がないけどお酒が飲みたい若者がスーパーでそれぞれ買い、ペットボトルに割って路上で飲むらしいです。
これをフランスの知り合いに話したらすごい勢いで拒否されました。さすがワインに誇りを持つ国です…

他にもキリがないほど美味しい物に出会い、図らずも(?)食べ歩きの旅になりました。

これまで「バスク」と聞くと、昔よくニュースで聞いたテロや武力闘争など、少し過激なイメージがありました。
でも今回たまたまご縁で行ってみて、想像とはまったく違う穏やかな街だということが分かりました。実際に自分の目で見るというのは本当に大切だと感じました。
(さらに、私のバスクの第一印象になってしまった「バスク祖国と自由(ETA)」(バスク民族の権利を守るために権力者を誘拐したりした団体)は、バスクの権利がだいぶ認められてきたので、今年めでたく解散するんだよ、と教えてもらいました。)

ヨーロッパ探訪 スペイン・ビルバオ~建築編

スペイン・バスク出身の友人に会いに、ビルバオという街へ行ってきました!
ビルバオはバスク最大の都市です。
80年代には産業・工業で発展しましたが、今は観光地としても有名になってきています。
 
薄緑の地域がバスク地方、右上はフランスです。
パリから飛行機で1時間半ほど。

バスクの旗
 
バスク地方の街というと、行ってみるまで想像ができませんでしたが、ビルバオの街並みはこんな感じでした。

川に沿って、驚くほどぴしっと並んだアパート群
特に旧市街の特徴で、印象に残りました。
 
旧市街では一つ一つの建物がどれも素敵な色に塗装されて、街全体がカラフルです。
 
新市街の中心にあるモユア広場は大きな噴水がシンボルで、憩いの場になっています。
 
私自身も行く前は名前も知らなかった街ですが、いくつか有名な場所をご紹介します。 
 
<グッゲンハイム美術館>
 

ビルバオには、NYにあるグッゲンハイム美術館の分館があります。
美術館は船の形をしています。空港からバスに乗り、市内に入った瞬間に見えるこの建物のデザインには圧倒されました。 (良い写真は撮れませんでしたが…)

左が美術館。その横には、『ハリー・ポッター』に出てきそうなクモのオブジェが。
ルイーズ・ブルジョワというパリ出身の彫刻家による作品で、グッゲンハイム美術館のシンボルです。
かなりリアルなこのクモは世界中に9匹いるらしく、日本なら六本木で見ることができます。
全部制覇するときっと楽しいですね!
 
何の動物に見えますか?
私は猫だと答えましたが、正解は犬みたいです。
この花のオブジェは、当初展覧会用に臨時で登場したものでしたが、市民の強い要望により美術館のもう一つのシンボルとして残されました。


<ビスカヤ橋>

ビルバオのすぐ近くにあるゲチョという街には、世界遺産の橋がありました!
ビスカヤ橋はエッフェル塔を建てたエッフェルの弟子であるアルベルト・デ・パラシオによって1893年に建設されました。
橋桁は水面から45mのところにあり、ここからワイヤーで吊られたケーブルカーに乗って向こう岸まで移動することができます。
橋桁がこんなに高い所にある理由は、大型船が川を遡って工業都市ビルバオまで行くためだったそうです。
 
ケーブルカーは車も乗せます。
運搬橋は世界各地にありますが、このビスカヤ橋が世界初だそうです。

なんと、水面から50mの高さにある橋桁は板一枚のみ。
下を見ると水面や運搬ケーブルが見えます。
 
「橋の上に人が並んで、一斉に1秒間に0.8回ジャンプすると、簡単に壊れます。」という説明書きがありました。。でも眺めはとても良かったです。街、山、海が一望できます。

5月の小学校訪問

毎月1回、日本文化紹介のために小学校を訪問しています。
訪問するのは4,5年生の合同クラスです。

彼らは兵庫県の小学校と毎年交流をしていて、4月までの訪問では主にビデオレターを撮ったり届いたビデオを鑑賞していました。
ビデオレターでは、お互い初めに送った質問への答え(どんな教科があるか、休み時間は
何をして遊ぶか、お互いの国にはどんな行事があるか、など)、それから学校紹介をし合いました。
クラスの生徒達が最も衝撃を受けていたのは、日本の学校にプールがあることです。
フランスの学校にはこれがなく、水泳の授業では皆で近くの市民プールへ行きます。そのため、1年中水泳の授業があるというのが、逆に日本人には驚きです!

また3月には兵庫県立大学のインターンシップ生2名が一緒に訪問し、折り紙で手裏剣をつくりました。
いつもより若いお姉さん達が2人もやってきて、皆大はしゃぎでした…

そして、今回は自分の紹介したいことを準備していく初めての機会でした!
何をしようか迷いながら決めたのは、日本で誰もが知る昔ばなし「桃太郎」の紙芝居。
フランスには紙芝居がなく、絵本を見せながら読み聞かせるのが普通です。
そのため、紙芝居をカバンから出して見せただけで「うわーすごいね!」と声が上がりました。
読み進めてページをめくると、絵に見入ってまた歓声を上げてくれます。
この反応に私もとても嬉しくなり、朗読にもちょっと力が入りました。

紙芝居の後は、(日本の某100均で見つけた)桃太郎イラスト折り紙を配りました。
5種類のデザインをランダムで配ると案の上、「ピンクがいい!」「あの子の柄がcool!」と大騒ぎでしたが、ご近所同士で仲よく交換してもらいました。
折り紙で今回つくったのは、桃太郎とは関係ないカエルです。
「もうすぐ6月!6月は日本では梅雨という雨の時期です!」と紹介して、あじさいの塗り絵とともに今回のアトリエにしました。
3月の手裏剣に比べると手順も簡単みんな苦労せずに完成し、ぴょんぴょんはねるカエルだったので作ったあとはカエル飛ばし大会になりました。

 
フランスの学校は6月で年度末を迎え長い夏休みに入るため、早くも訪問回数はあと1回で終わってしまいます。
次の訪問も待ち遠しそうにしてくれたので、あと1回、皆が楽しめる訪問にできたらなと思います。

2018年5月18日金曜日

パリのテロ

先週末、パリのオペラ座近くでテロ事件がありました。
現場は日本人街のすぐそばで、兵庫県の海外事務所がある場所からもたった3分ほどの所でした。私も事務所訪問時はいつも通る辺りです。

フランスは移民が本当に多い国で、特にパリ都市圏では外を歩けばアフリカ系・アラブ系の人も常に目にするほどです。
私が普段利用している鉄道のRER A線では、気づくと周りに座っているのは全員アフリカ人、という時もよくあります。
2年前のパリ同時多発テロでは、一時イスラムの人たちを差別しようとする動きがパリでも起こってしまいましたが、それが正しい行動でないのはもちろんのこと、そんなことをしても無駄なほどイスラム系のフランス人も多く生活を送っています。

今はカンヌ映画祭の真っ只中ですし、今週はリヨンでサッカーのヨーロッパリーグ決勝がありました(当日のニュース番組は朝からこれでもちきりでした)。これから夏に向かってフランス各地でどんどんイベントが増えますが、この盛り上がりと同時に、テロ警戒の対策についての報道は常にあります。悲しい事件がとにかく出来ればこれ以上無いようにと願います。

2018年5月13日日曜日

SMAフォンテーヌブロー事務所

年始にもお知らせしましたが、2018年1月より所属先の機関がSMD(Seine-et-Marne Développement =セーヌ・エ・マルヌ県経済振興公社)からSMA(Seine-et-Marne Attractivité=セーヌ・エ・マルヌ・アトラクティヴィテ)に生まれ変わりました!
同県の観光局(Seine-et-Marne Tourisme)と合併しました。

新組織となった職場、本部も県庁所在地のムラン(Melun)から、元々観光局がある、世界遺産のお城で有名なフォンテーヌブロー(Fontainebleau)に移転しました。
ムランの時には1度しかなかった訪問の機会、移転後は少しずつ増えてきたので、少しご紹介いたします。

以前から観光局が使っていたこの事務所は、世界遺産フォンテーヌブロー宮殿の横、というよりお城の一角にあります!
兵庫県で言えば、姫路城内に事務所があるイメージでしょうか。。
来る度ついついカメラを構えてしまう素敵な職場です。
よく映画やドラマの撮影にも使われているとのこと、ちょうど前回訪問時に現場がありました。

準備中の撮影現場が事務所の窓から見えます。

事務所のある建物の外装は完全にお城ですが、中は場所によっては新しく事務所らしい様子です。
2階の天井は屋根に沿って傾いているため、広い屋根裏部屋で働いていてるような良い気分です。

事務所の入口(と、煙草休憩中のSMA同僚)。
 
お昼は宮殿敷地内の公園でサンドウィッチなど!

こことシェシー事務所、合わせて40人以上が働くSMAで、唯一の日本人・外国人としてあと5ヶ月ほど頑張ります。
ちなみに、私のいる事務所も近いうちにプチ引越予定でございます。

2018年5月3日木曜日

ソー公園の桜

春になってみて少し驚いたのが、桜の木が意外と辺りに生えていたということでした。
今年はお花見をあきらめていましたが、実は寮の部屋の窓から見える並木道も桜だったことに半年後やっと気付きました。

もちろん日本の桜の美しさと迫力には勝てない気がしますが、フランスで桜は思っていたよりもずっと浸透していました(今年は日本の桜よりも数週間遅れて開花)。

桜の名所さえあります。知り合いに教えてもらい行ってきました。
パリの南側、郊外にあるソー公園(parc de Sceaux)では、日本人をはじめとしたアジア人、また日本のお花見文化を取り入れたフランス人など多くの人が桜の木の下でピクニックをしていました。
ここはお城の庭で、ヴェルサイユ宮殿よりも静かでパリから簡単に足を運べるため、これからの季節にとても良い所です!

公園には運河があり、ヨットも浮かんでいたりと、とても気持ちのいい場所です。
この水辺では特に地元の人がくつろいでいる印象がありました。

桜並木は少し奥の方のひっそりした場所にありましたが、たどり着くとものすごい人でした。
日本語もたくさん聞こえてきました。

ちなみに、桜よりもっとショックを受けたのは花粉です。
毎春ひどいくしゃみと涙に我慢する私は、今年は関係ない!と楽しみにしていましたが…
むしろ見た目には日本より激しい花粉(10cmほどの綿状で固まって攻撃してくる)が町中転がったり飛んだり、、寮の廊下にまで進出してくるため、見ているだけで鼻がかゆくなります。
こちらではマスクをつける人もいないので、ただただティッシュをお供に頑張っています。。

無事に帰国しました

ご報告がとても遅くなりましたが、10月の初めに1年間の派遣生活を終え日本へ帰ってきました。 日仏交流コーディネーターとしてセーヌ・エ・マルヌ県に派遣され、仕事でも私生活でも、簡単にはできないような体験を幾つもさせてもらうことができました。県内の複数の教育機関での日本文化紹介や...